飼い主にべったりな犬!その理由とは?

飼い主にべったりな犬!その原因・対処方法とは?

愛犬が常に飼い主にくっついてきて嬉しさ半分、心配になることはありませんか。このようなべったりした行動は、いくつかの犬種にとっては典型的なものです。一方で、べったりすることは、不安や健康問題が原因で起こることもあります。

もしあなたの犬がべったりするようになったら、心配するべきでしょうか?本記事では、犬が飼い主に対してどのようにしてべったりするようになるのか、その理由と対処法を紹介します。
 

【目次】

  1. 飼い主にべったりする犬とは
  2. 犬のべったりと分離不安の違い
  3. 犬がべったりする理由は?
  4. 犬のべったりを高める4つの原因 
  5. 犬のべったりを軽減させる方法 

1. 飼い主にべったりする犬とは

飼い主にべったりする犬とは

べったりする犬というのは、常に飼い主にくっついてきて、飼い主の目の前から離れない犬のことです。部屋を出ようとすると、犬も立ち上がってついてきます。トイレに行くと、そこにも付いてこようとします。

最初は犬のべったりした行動がかわいいと感じるかもしれませんが、やはりもう少し独立して少し距離をとってほしいと感じるようになるかもしれません。べったりすることは必ずしも分離不安とは違います。この2つは異なる行動です。
 

2. 犬のべったりと分離不安の違い

犬のべったりと分離不安の違い

べったりする犬は、飼い主のそばにぴったりと寄り添い、頻繁に注意を引こうとします。ペンシルバニア大学の動物臨床行動学の准教授であるカルロ・シラクサ博士は、「これらの犬は、注意を引こうとする行動を取ることが多いです」と言っています。

もし犬がボール投げをしてほしかったり、抱っこしてほしいと望んでいる場合、それは典型的な注意を引こうとする行動のサインです。

ただし、注意を引こうとする行動と分離不安は同じものではありません。シラクサ博士によれば、分離不安とは、飼い主がいない時に犬が示す苦痛や恐怖を指します。

分離不安に関連する最も一般的な問題は、過度の鳴き声(大声で吠えたり、鳴いたりすること)、破壊行動(家具や物を壊すこと)、家の中での不適切な排泄(排尿や排便)などです。

彼は、べったりする行動を示す犬が必ずしも分離不安を持っているわけではなく、その逆もまた然りであると述べています。

もしあなたのべったりする犬が、あなたがいない時に問題なく過ごしているようであれば、分離不安の可能性は低いでしょう。しかし、帰宅するたびに家の家具が破壊されていたり、隣人から迷惑な吠え声の苦情がある場合、それは分離不安のサインです。

分離不安とべったりする行動の両方において、動物行動学者は適切な運動や精神的ストレスの発散を推奨しています。分離不安を持つ犬には、クレートトレーニングが効果的です。クレートは犬にとって安心できるスペースとなり、かつ家の家具を守ることにも役立ちます。
 

3. 犬がべったりする理由は?

犬がべったりする理由は?

実は、犬がべったりする理由はたくさんあります。遺伝的な特性から不安まで、犬によっては生まれつきべったりするものもいれば、後天的にそうなる犬もいます。

シラクサ博士によると、犬のべったりした行動は次の2つの要因に起因すると述べています。それは「犬の集団行動心理」と「人間に対する依存」です。
  

犬の集団行動心理

    もともと犬は群れを作る社会的な動物です。これは狼の祖先にまでさかのぼり、DNAに刻まれています。したがって、当然のことながら、彼らは自分の仲間と一緒にいたがる傾向にあります。
      

    人間に対する依存

    また、シラクサ博士は研究によって犬がしばしば問題を解決するために人間に依存することが示されていると言います。

    家庭犬は人間中心の環境で生活しているため、自分の環境をうまくコントロールすることができず、食事の提供や排泄処理など基本的なニーズに関して人間に依存しています。

    これにより、飼い主は犬にとっての「安心できる拠り所」となります。その拠り所があると、犬は安全だと感じます。

    この犬のDNAと学習による依存の組み合わせは理解できるのではないでしょうか。とは言っても、すべての犬がべったりするわけではないので、彼らの何が違うのでしょうか?
     

    4. 犬のべったりを高める4つの原因

    犬のべったりを高める4つの原因

    どんな犬もべったりする可能性はありますが、飼い主としていくつかの典型的なサインに注目することができます。
     

    べったりしやすい犬種

    特定の犬種はべったりする傾向があります。たとえば、ゴールデンレトリバーは楽しいことを見逃さないようにと、犬用ベッドで横になりながら、飼い主をじっと見ていることがあります。

    また、マルチーズやキャバリア、イタリアングレーハウンドのような犬種もべったりしがちです。イタリアングレーハウンドは体重約5kgと小型犬の中では少し大きめの犬種ですが、膝の上に乗りたがる甘えん坊さんです。

    ジャーマンシェパードもべったりすることがありますが、賢く、飼い主を守りたいと思っているため、優れた警察犬としての資質もあります。
     

    飼い主の無意識な行動

    犬種に関わらず、多くの飼い主は無意識のうちに、犬のべったりする行動を促進させています。犬は毎日の習慣から学習する生き物です。もしあなたが、犬が隣に寄り添うたびに耳をかいたり、おやつをあげたり、褒めたりすれば、その行動を促進していることになります。

    もちろん、愛犬に愛情を注ぎたいのは自然なことです。犬と一緒に遊んだり抱きしめたりするのは、犬を飼う楽しみの一部です。

    しかし、それが楽しい時間から、常に注意を引こうとする行動に変わってしまうと、少し厄介になることがあります。犬が常にそばにいて、仕事中に手を軽くつついて撫で撫でを求めたり、遊ぼうと吠えたりするのは、少々困るかもしれません。
     

    不安からくる依存

    多くの犬は不安からべったりするようになります。新しい犬を迎えた場合、その犬が新しい家や生活リズムに慣れるまでには時間がかかることがあります。落ち着いて、忍耐強く、日常の行動習慣を確立してあげましょう。

    犬は習慣を好む動物です。犬はあなたに全てを依存しているため、いつ外に出て、いつ食事をするかを知っていることで安心感を得ます。

    一方、以下のような突発的な習慣の変化は、犬を不安にさせることがあります。
     

    • 新しいペット
    • 新しい赤ちゃん
    • 引っ越し
    • 工事
    • 新しい音
    • 新しい生活リズム
       

    これらに心当たりがある場合、犬が適応するまでの間、べったりする行動を取るかもしれません。
     

    年齢

    犬の年齢もべったりする行動に影響を与えることがあります。もし子犬を迎えた場合、新しい家、新しい生活リズム、新しい人々に順応しようとしています。

    子犬は常に好奇心旺盛で、何も見逃したくありません。新しい子犬は習慣が確立され、ポジティブなトレーニングを行うことで、次第に自立していくことが出来ます。

    一方、年を取った犬は、健康上の問題からべったりするようになることがあります。シラクサ博士によれば、老化に伴い、身体的および認知的な衰えが進み、犬はより不安定になり、さらに安心できる拠り所である飼い主に依存するようになります。

    若い頃に分離不安を抱えていた犬は、年を取ると再発することがあり、そういったケースは多く見られます。
     

    5. 犬のべったりを軽減させる方法

    犬のべったりを軽減させる方法

    退屈な犬は、べったりしたり破壊的な行動を取ることがあります。仕事もインターネットもなく、他の人に食事や散歩、遊びを依存していたら、自分もべったりするかもしれません!


    もっと運動させることで、犬は余分なエネルギーを消費できます。パズルおもちゃは、犬に問題解決の課題を与える良い方法です。

    犬の飼い主は、犬に安定した行動習慣を提供し、十分な運動、社会化、およびトレーニングを行うことが重要です。これにより、犬の自信が高まり、あらゆる状況において安心して過ごせるようになります。犬のトレーナーを頼ることで、さらにサポートを得られるでしょう。

    これらのアドバイスが、なぜあなたの愛犬がべったりしているのか、そして犬をより快適で幸せにするためのアイデアを得るきっかけになれば幸いです。
     

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