バンコクで犬の健康を守る!気候対策とフード実情

バンコクで犬の健康を守る!気候対策とフード実情

常夏のバンコクは日本と比べて気温・湿度が高く、犬の体調管理にひと工夫が必要です。本記事では、在タイ日本人オーナーが押さえたい「気候対策」と「フード事情」を2025年時点の相場感も交えて実務目線で解説します。
 

1. 気候と体調管理

一年を通して暑く湿度も高いため、散歩は日の弱い早朝・夕方がオススメです。日中はアスファルト温度が上がり、肉球のやけどリスクが高まるため注意が必要です。

外出前に手の甲で地面を5秒触って熱さを確認しましょう。室内はエアコン+除湿で温湿度を安定させ、皮膚が弱い犬はシャンプー後の完全乾燥(低温・距離を保ってドライ)を徹底します。

被毛が密な犬種では下毛の湿りがマラセチアや細菌増殖の引き金になりかねません。飲水は常にフレッシュに保ち、環境変化でお腹が緩みやすい犬はミネラルウォーターや浄水器の水から始めると安心です。

雷雨期の音ストレス対策として、クレートトレーニングやノーズワークで室内の発散環境を用意しましょう。
 

今日からできるミニチェック

  • 散歩:日の弱い時間+短め×回数増
  • 地面テスト:手の甲5秒で熱さ確認
  • 室内:エアコン+除湿、直射日光はカーテンで遮断
  • 皮膚:赤み・匂い・ベタつきを毎日チェック
  • 水分:ボウルを毎回洗浄、飲水量の目安を把握
     

2. 寄生虫・感染症の予防

フィラリア予防は通年が基本です。月1回の経口薬・スポットオン、または長期注射などを継続してください。

ノミ・マダニは一年中活動するため、外出の有無に関わらず継続予防を推奨します。消化器トラブルの一因となる内部寄生虫は、3〜6か月に一度の便検査を目安にしましょう。

雨季は皮膚炎が増えやすいので、被毛の換気・乾燥耳のケア(耳道に水分を残さない)を徹底しましょう。

公園や路地では放浪犬との接触を避け、万一の咬傷時は即受診をしてください。狂犬病・混合ワクチンは年次スケジュールで管理しましょう。
 

予防プランの目安

  • フィラリア:通年投与 or 長期注射(獣医と相談)
  • ノミ・マダニ:毎月継続(スポット/経口)
  • 便検査:3〜6か月ごと
  • 皮膚・耳:雨季は乾燥&通気を強化
  • ワクチン:年次スケジュールで管理
     

3. バンコクのフード事情(2025年相場)

2025年現在、輸入プレミアムフードは日本より安いことが多いのが実情です(為替・セール・正規/並行や製造国違いで変動あり)。
 

相場の目安

  • オリジン 11.4kg:約 ฿4,050(≒ ¥18,600)
  • アカナ 11.4kg:約 ฿3,300(≒ ¥15,100)
  • ロイヤルカナン 15kg:約 ฿2,390(≒ ¥11,000)

【日本相場の目安】
オリジン/アカナ 11.4kg は概ね ¥20,000〜24,000、ロイカナ15kg は約¥17,000)
 

入手先はECや大手量販(Central、Tops、Tailybuddy、Pet Lovers Centre など)。まとめ買いの選択肢も多い一方、タイ国内ブランドは価格優位があり、近年は原材料や製造管理の改善も進んでいます。

私自身は、デリバリーが速いTailybuddyを良く使用しています。取扱数はそこまで多くありませんが、対象商品があればオススメです。(Tailybuddyでの購入によるトラブル責任は一切負いかねます。)
 

選び方のヒント

  • 主原料が動物性たんぱくで明確か
  • 脂質%は体重管理・活動量(暑さで低下しがち)を考慮
  • 繊維源・プレバイオティクスの有無(便の安定に寄与)
  • 製造国・栄養基準(AAFCO/FEDIAF)・ロット/賞味期限の表記
  • 皮膚・腸が繊細な犬は単一たんぱく源から
     

保管のコツ(高温多湿対策)

  • 開封後1か月以内を目安に使い切る(小分け推奨)
  • 元袋ごと密閉容器へ入れ、乾燥剤を追加
  • 直射日光・高温の車内は厳禁(酸化・香り抜け)
  • FD/エアドライは吸湿対策を徹底
  • アリ対策:床置きNG、棚上保管。食べ残しは早めに片づけ
     

4. 暑さで食欲が落ちた時の工夫

香りを立たせるウェットやブロス(煮込みスープ)のトッピングぬるま湯でのふやかし、一回量を少なめにして回数を増やすなどが有効です。フリーズドライ(FD)を砕いてまぶすと嗜好性が上がりやすく、ボーンブロスは水分・ミネラル補給にも役立ちます。
 

食欲UPの引き出し

  • 低Naのボーンブロス/無塩の出汁
  • FDふりかけ(レバー等はごく少量
  • 一口サイズで“探す”ノーズワーク給餌
  • 食器の材質変更(ステンレス→陶器など)で匂い対策
  • 給餌位置を風通しの良い静かな場所へ
     

5. 帰国・一時帰国時のフード切替

同一フードを持参できればベストです。難しい場合は、主原料・たんぱく源・脂質量が近い代替を選び、7〜10日以上かけて段階的に切替えましょう。療法食使用中は事前に獣医へ相談をしましょう。
 

切替スケジュール例(旧→新)

  • 1〜3日目:75:25
  • 4〜6日目:50:50
  • 7〜10日目:25:75100%
     

便が緩む・ガスが増えるなどのサインが出たら、進行を一段階戻すのがコツです。日本への本帰国が決まり、ワンちゃんの輸入代行をご希望の方はご気軽にご連絡くださいませ。
 

6. もしもの時の初期対応(暑熱・消化器)

  • 熱中症疑い
    舌が鮮紅色/よだれ過多/フラつき →
    日陰・送風・体表を常温水で濡らす(氷水は避ける)→
    速やかに受診。
     
  • 急な下痢・嘔吐
    まず水分補給短時間の絶食で様子見。
    血便・元気消失・繰り返す嘔吐があれば早期受診。
     
  • 異物誤飲
    むやみに吐かせない。
    サイズ・材質・時間をメモし、すぐ病院へ。

※本記事は一般情報です。症状がある場合は必ず獣医へご相談ください。

7. まとめ

バンコクは暑熱・湿潤ゆえのリスクはある一方、フードや医療の選択肢は豊富で、相場面でもメリットが出ることがあります。

気候に合わせた室内環境通年の寄生虫予防高温多湿を踏まえたフード保管と給餌設計、そして賢い代替選びと段階的な切替で、愛犬のQOLを高めていきましょう。
 

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